妙一尼御前御消息
「法華経信づる人は冬のごとし、冬は必ず春となる。いまだ昔より聞かず見ず、冬の秋へとかへれる事を。いまだきかず、法華経を信ずる人の凡夫となる事を」(御書832ページ)
との御文を拝する。
人生の様々な宿業と出会いのなかにあって、その生存中に種々の不足、不満、不幸が訪れ、そのなかに埋没しつつある人も多い。
しかし、御金言のように御本尊様を信じ、妙法を絶えず受持信行するとき、冬のような厳しい人生が春の温かい幸福な命となる。
その変化は、外からでも、内からでもなく、ただ妙法の功徳であり、また、その功徳が外からも内からも顕れて真の喜びと幸せを生ずるのである。夫婦関係、友人関係、職業上の種々の人間関係による様々な不信、反感、冷酷等の悪に、軽蔑、嫉妬等々の苦しみも多く、また、通常の人間生活より落ちぶれて、人生の闇を這うような人々の、悩みを悩みとも思わない衰退した心の姿等、世の人々の苦悩は計り知れない。しかし、妙法を真剣に受持するとき、その冬の人生は必ず春と開いて行くのである。
「すべては唱題から」
ー唱題の功徳と意義六十一ヶ条ーより